観光地の駐車場の有料化はどう進める?混雑・不正駐車・収益化をまとめて解決する方法
1. はじめに
山や海など観光地の駐車場では、シーズン中の満車や路上駐車、長時間駐車、維持費の負担といった課題が全国で顕在化しています。こうした背景から、これまで無料または協力金方式で運営されてきた駐車場を有料化するなど、運営方法を見直す自治体・団体が増えてきました。
しかし、実際に検討を始めると、「他の自治体はどのように有料化を進めたのか」「住民や利用者の理解を得られるのか」「有料化した後、誰が日々の運営を担うのか」といった疑問や不安が次々と出てくるのではないでしょうか。
この記事では、山や海など観光地の駐車場の有料化が進む背景と各地の事例、有料化を成功させるための運営体制の考え方について解説します。公募(プロポーザル)前の情報収集段階の方にも役立つ内容です。
2. 観光地の駐車場で有料化・予約制化が進む背景

まず、全国でどのような動きが起きているのか、そして有料化にはどのような効果と課題があるのかを整理します。
2-1. 全国で相次ぐ有料化・予約制化の動き
北アルプスの登山拠点である長野県安曇野市では、地元事業者からの協力金によって運営負担緩和のためり、登山者などが利用する安曇野穂高駐車場を有料化しました。料金は1時間100円・1日最大500円と、日をまたぐ登山利用を想定した設定になっています。
出典:信濃毎日新聞デジタル
また、岐阜県高山市の新穂高温泉エリアでは、市営駐車場への事前予約制の導入や料金の見直しが進められています。予約制によって現地での空車待ちがなくなれば、観光シーズンの渋滞緩和にもつながります。さらに、白山では環境省が別当出合駐車場の一部を事前予約制とする社会実験を実施しています。
出典:akippa株式会社プレスリリース(PR TIMES)
このように、規模や方法はさまざまですが、「無料のまま維持し続けることの限界」を背景として、全国で駐車場運営の見直しが進んでいるのが現状です。
2-2. 有料化・予約制化で期待できる効果
有料化・予約制化には、主に3つの効果が期待できます。
1つ目は、駐車場の回転率の改善です。適切な料金設定を行うことで、長期駐車や目的外利用の抑止につながり、本来利用してほしい観光客・登山者が駐車しやすくなることが期待できます。
2つ目は、混雑の平準化です。予約制を組み合わせれば、事前に受入台数を管理でき、「現地に行ってみたら満車だった」ことによる空車待ちや周辺での路上駐車や空車を探す車両の周辺走行を減らすことができます。路肩駐車が減れば、緊急車両の通行確保にもつながります。
3つ目は、財源の確保です。駐車場収入をトイレや登山道の整備、場内の清掃・補修といった周辺環境の維持費に充てることができ、これまで持ち出しだった費用を利用者負担で賄う仕組みへ転換できます。
2-3. 有料化の壁になる「合意形成」
一方で、有料化は必ずしもスムーズに進むとは限りません。料金への反発や地元との調整が課題となり、導入が見送りになった事例もあります。
こうした事態を避けるためには、住民や議会、地元事業者に対して「なぜ有料化するのか」「収入を何に使うのか」を説明できる材料を揃えることが重要です。例えば、他地域の料金設定や運用実績、現地の利用状況に基づく収支の試算は、説明の場で説得力のある資料になります。
NTTル・パルクでは、こうした事例情報のご提供や現地調査に基づく収支試算など、検討材料づくりの段階からサポートしております。「まだ検討を始めたばかり」という段階のご相談も歓迎です。
3. 有料化では「運営体制」と「導入コスト」をセットで考える

観光地の駐車場を有料化する際は、料金設定だけでなく、「誰が日々の運営を担うのか」「導入・維持にどの程度のコストがかかるのか」をあわせて考える必要があります。特に利用が季節や曜日に左右される場所では、設備投資が大きすぎると、得られる駐車場収入とのバランスが取りにくくなることがあります。ここでは、有料化後に発生する業務と運営方式の選択肢を整理します。
3-1. 有料化後に発生する業務
駐車場の有料化は、料金を設定すれば終わりというわけではありません。運用方法によっては、料金収受や売上管理、現金・釣銭の管理、機器の故障対応、場内の清掃・巡回、利用者からの問い合わせ、不正駐車への対応など、継続的な業務が発生します。設備や決済方法を選ぶ際には、導入費だけでなく、運営開始後の管理負担まで含めて比較することが重要です。
これらを自治体や地元団体が直営で担う場合、人員確保や管理体制の整備が必要です。とくに市街地から離れた登山口や海岸部では、常駐管理を前提とした仕組みが適さないケースもあります。有料化による収入だけを見るのではなく、人件費や設備費、維持管理費を含めて収支を考える必要があります。
3-2. 主な運営方式・導入方法の比較
運営のやり方は、大きく「直営」「運営委託」「一括借上」の3つに整理できます。それぞれの違いは以下の通りです。
| 直営 | 運営委託 | 一括借上 | |
| 料金収受・清掃・巡回 | 自前で対応 | 運営会社が対応 | 運営会社が対応 |
| 夜間・休日の利用者対応 | 自前で対応 | 運営会社 | 運営会社 |
| 収入 | 全額受領 | 自治体・団体が受領 | 契約に基づく賃料を受領 |
| 収支変動リスク | 自治体・団体 | 自治体・団体(収益も帰属) | 運営会社 |
| 初期投資・設備 | 自治体・団体 | 条件に応じて相談 | 条件に応じて相談(抑えやすい) |
※一般的な整理です。個別の条件により異なる場合があります。
直営は収入がすべて手元に残る一方で、業務負担とリスクもすべて自前で抱えることになります。反対に、運営委託や一括借上は、業務負担を運営会社へ移せる分、収入の受け取り方や委託費との兼ね合いを検討する必要があります。どの方式が適しているかは、駐車場の規模・立地・季節変動の大きさによって変わるため、複数の方式で収支を試算した上で比較することをおすすめします。
3-3. 混雑回避のオプションとして予約システムを組み合わせる
予約システムは、それ自体が駐車場の運営方式になるものではなく、直営・運営委託・一括借上のいずれかの運営体制に追加して活用できます。繁忙期や特定の時間帯に利用が集中する観光地では、事前予約枠を設けることで来場時間を分散し、満車待ちや駐車場周辺の渋滞、路上駐車の抑制につなげられます。
一方で、予約システムを導入しても、現地の清掃・巡回、利用者対応、不正駐車への対応などの運営業務がなくなるわけではありません。そのため、まずは3つの運営方式から基本となる体制を決め、混雑状況や利用特性に応じて予約システムを組み合わせることが重要です。
4. 観光地の駐車場を低コストで有料化する「スマートチケットパーキング」

観光地や登山口の駐車場では、利用が観光シーズンや休日に集中する一方、平日やオフシーズンには利用が大きく減ることがあります。そのため、大がかりな駐車場設備を導入すると、設備投資と駐車場収入のバランスが合わない場合があります。こうした場所で有料化を検討する際の選択肢となるのが、NTTル・パルクの「スマートチケットパーキング」です。
スマートチケットパーキングは、料金看板に表示されたQRコードを利用者がスマートフォンで読み取り、駐車料金を前払いするデジタルチケット式の駐車場システムです。精算機やゲートなどの大がかりな設備を必要とせず、設備投資を抑えながら駐車場を有料化できることが特徴です。
4-1. 精算機・ゲート・電気工事が不要
スマートチケットパーキングでは、精算機やゲートを設置する必要がなく、電気工事も不要です。料金看板と区画表示を中心としたシンプルな構成で開設できるため、一般的な設備型の駐車場と比べて初期投資を抑えやすく、短期間で開設しやすい仕組みです。観光シーズンとオフシーズンの利用差が大きい駐車場でも、有料化を検討しやすくなります。
4-2. QRコードからスマートフォンで前払い
利用者は駐車後、料金看板に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取り、表示された料金をキャッシュレスで前払いします。支払い後はそのまま観光や登山へ向かうことができ、利用後の精算操作も不要です。完全キャッシュレスのため、現金回収や釣銭補充といった管理業務の負担軽減にもつながります。
4-3. 駐車場機器のトラブルを抑えられる
精算機やゲートなどの機器を設置しないため、こうした駐車場機器の故障や不具合によるトラブルを抑えられることも特徴です。市街地から離れた山間部や海岸部では、機器トラブルが発生した際の現地対応が負担になることもあるため、設備をシンプルにできることは運営面でもメリットになります。
また、オプションとしてソーラー型照明やソーラー型監視カメラの設置にも対応しています。駐車場の立地や利用状況に応じて必要な機能を組み合わせることで、導入コストと運営負担のバランスを考えた有料化を検討できます。
5. スマートチケットパーキングの導入実績と活用イメージ

NTTル・パルクの公式サイトでは、スマートチケットパーキングの導入実績として、恩方駐車場(東京都八王子市)、新座駐車場(埼玉県新座市)、瑞穂町駐車場(東京都西多摩郡瑞穂町)をご紹介しています。いずれも月極駐車場を併設した事例で、料金看板に「前払い式」「料金」「精算方法」「QRコード」といった必要情報をシンプルに表示し、キャッシュレスで利用できる仕組みが採用されています。
5-1. 看板・区画表示を中心に短期間で開設
スマートチケットパーキングは、精算機やゲートなどの駐車場設備を設置せず、看板・区画表示を中心に開設できます。電気工事に加えて舗装・区画整理も不要とされており、コストを抑えながら短期間で駐車場を開設できることが特徴です。
5-2. 設備投資を抑えたい観光地の駐車場にも
観光地の駐車場は、観光シーズンや休日には利用が集中する一方、平日やオフシーズンには利用が大きく減ることがあります。そのため、大がかりな設備を導入すると、設備投資と駐車場収入のバランスが取りにくくなる場合があります。
スマートチケットパーキングは、精算機やゲートなどの駐車場機器を必要とせず、電気工事も不要なため、初期投資を抑えて有料化を検討できます。利用の季節変動が大きく、採算性を見極めながら有料化を進めたい観光地や登山口の駐車場においても、選択肢の一つとなります。
6. ご相談から運営開始までの流れ

駐車場の有料化や運営委託については、現状の課題やご希望を伺ったうえで、駐車場の規模・立地・利用状況に応じた運営方式や設備をご提案します。
一般的には、次のような流れが想定されます。
6-1.STEP1 ご相談
現在の課題や、有料化・運営委託に関するご構想をお聞かせください。情報収集段階でもご相談いただけます。
6-2.STEP2 現地状況の確認
駐車場の立地、規模、利用状況、繁忙期の混雑などを確認します。
6-3.STEP3 運営方式・設備のご提案
運営委託や一括借上などの方式と、現地に適した設備・運営体制をご提案します。
6-4.STEP4 ご契約・導入準備
ご提案内容に合意いただいた後、契約や設備導入に向けた準備を進めます。
6-5.STEP5 運営開始
契約内容に基づき、駐車場の運営・保守・利用者対応を行います。
※実際の進め方や対応範囲、費用については、駐車場の条件や契約方式によって異なります。
7. よくある質問(FAQ)
観光地の駐車場の有料化に関する代表的なご質問にお答えします。
Q.スマートチケットパーキングはどのように利用しますか?
A.駐車後、料金看板に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取り、駐車料金をキャッシュレスで前払いします。精算機や駐車券を使わずに利用でき、観光や登山を終えたあとは追加の精算操作をせずに出庫できます。
Q.山間部や海岸沿いなど、市街地から離れた駐車場でも対応できますか?
A.はい。スマートチケットパーキングは、精算機・ゲート・電気工事が不要な仕組みです。駐車場の立地や利用状況を確認した上で、比較的スピーディな開設をご検討いただけます。
Q.数十台規模の駐車場でも相談できますか?
A.規模に応じた設備・運営方式をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
Q.現金で支払うことはできますか?
A.スマートチケットパーキングは完全キャッシュレス方式です。料金看板のQRコードをスマートフォンで読み取り、対応するキャッシュレス決済で駐車料金を前払いします。
Q.公募(プロポーザル)の前に話を聞くことは可能ですか?
A.はい。情報収集や仕様検討の段階からご相談いただけます。現地の状況やご要望を伺いながら、運営方式や導入事例などをご案内します。
8. まとめ
観光地の駐車場の有料化は、混雑や長時間駐車、維持管理費などの課題を見直すための選択肢の一つです。一方で、観光地では利用が特定の季節や曜日に集中することも多く、大がかりな設備を導入すると、駐車場収入と設備投資のバランスが合わない場合があります。料金設定だけでなく、その場所の利用状況に合ったコストで持続的に運営できる仕組みを選ぶことが重要です。
NTTル・パルクの「スマートチケットパーキング」は、精算機・ゲート・電気工事が不要で、料金看板のQRコードからスマートフォンで駐車料金を前払いする仕組みです。設備投資を抑えながら有料化を検討できるため、観光地や登山口など、利用の季節変動が大きい駐車場における選択肢となります。駐車場の条件に応じて、設備・運営方法をご提案します。
「観光地の駐車場を有料化したいが、大がかりな設備投資は避けたい」「季節変動が大きく、採算が合う方式を知りたい」「公募前に運営方式や費用感を整理したい」といった段階でもご相談いただけます。駐車場の規模・立地・利用状況に合わせて、無理のない有料化・運営方法を検討していきましょう。
駐車場経営を
お問い合わせ


